家庭菜園のナスが枯れる?! 連作障害について

こんにちは、ハウス工藤園芸代表工藤泰造(たいぞう)です。 家庭菜園の野菜たちがグングン成長してきた夏に発生する悩みに、家庭菜園教室の生徒さんからよく受ける相談は、病気や害虫についてです。お悩みの多い病害虫のお話を、今回から2回に分けてお伝えいたします。


一回目の今回は家庭菜園で最もお悩みが多い「ナス科の植物に起こる連作障害について」と、「農家としての私の新たな取り組み」についてお話させてください。


連作障害とは

連作障害とは、土が原因の病気で、一度出てしまうとナス科の作物は10年は作れないほどの障害がでてしまいます。ただの病気と思っている人が多く、判断しにくい障害です。


同じ科の作物を同じ所に何年も続けて植えていると、土中の病原菌や、病害虫や、栄養が偏り、バランスが崩れ、生育が悪くなります。連作障害には「青枯れ病」、「半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)」などがあります。2年、3年とたつにつれて、収穫量が減ったり、症状がだんだんひどくなってきます。



ナス科の植物ってナスだけじゃないの?

ナス科の植物は、ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモです。特にナスは連作障害が出やすいです。一見して同じ科とは思えない作物ですので、知らず知らずに連作となっていることが多いのです。


連作障害の特徴は

実がつきだすと負担がかかり、葉がしおれ、黄色くなり、元気がなくなり、死にはしないけれど悪い状態が続き、知らないで作って何年もすると重症化します。


・青枯れ病:元気だった作物が急に元気がなくなり、しおれていきます。曇りだと回復し、晴れると、または暑くなると弱ってしおれる、を繰り返していくうちに回復しなくなります。


・半身萎凋病(はんしんいちょうびょう):初期は作物の半分片側が黄色くなってしおれ、だんだん全体に広がり、枯れていきます。




連作障害を防ぐ方法

いくつかの方法がありますので、できることをして害から守ります。


1. 病気がつきにくい「丈夫な木」に育てるために「良い土作り」に取り組む。


2. 「接ぎ木苗」を植える。(青枯れ病に強い品種を接いでいる苗です)


3. 同じ場所に相性の良い他の種類の作物「コンパニオンプランツ」を植える。


4. 同じ場所に同じ科の作物は植えずに、計画的に違う科の作物を植える「輪作」をする。


5. 化学農薬で土の消毒をする。


6. 土の入れ替えをする。


7. 高温で土を焼く(60度以上に地温を上げて殺菌する)


8. 畑を休ませる。(雑草だけの状態にして5年間)


9. 連作障害の土の影響がない「プランターで栽培」する。




農家として私の新たな取り組みは

私は主にトマト、ナス、キュウリを生産している農家として、連作障害が出てしまうと死活問題です。私は農業は連作障害との戦いと思い、上記で取り上げた全部の取り組みをしてきましたが、完璧ではありませんでした。「農薬を使わず」に、「自然の力」で作っていける方法として、私のできる最後の手段として、一般のかたにはできない方法ではありますが、新たに3年前から試みていることを紹介させてください。


水による土のリセットと再生

連作障害を引き起こす悪い菌をなくすため、生産ハウスの土壌に大量の水を張り、水没させ、酸欠させることにより、菌を死滅させてリセットするという方法に取り組んでいます。好気性菌が死んで、嫌気性菌が活性化する効果があります。水を一定期間入れておいた後は、良い堆肥を入れて、堆肥に含まれる良い好気性菌を入れるという方法です。3年前に試みた場所が、今、病気も出ず、とても出来が良いのです。

*ハウスの中に大量の水を投入している様子


水はけがよい畑が裏目に…

この方法を実行するにあたってたくさんの苦労がありました。水をためるということは、水はけがよい畑ではなかなか難しく、なかなか思うように水がたまらなかったこともありました。今はそのようなことがないように、「水はけがよく、水持ちもよくする」という難しくもある相反する特性を持つ土作りをしています。また、この方法を知らない人からは洪水かと思われて、何をばかなことをしているのだろう?と、思われました。


水の確保ができる6~7月が適期

水田に使う水がある時期にしかできない作業なので、6~7月の時期に行います。ポンプを設置し、配管して、約1カ月間行います。私は米栽培もしているので、この方法ができる環境にあります。水田も同じ原理で、毎年同じ作物を作り続けられるのです。

*水を張ったハウス内をトラクターで土をかくはんしている様子です。




私は家庭菜園教室で、実際にお客さまの声に耳を傾けて初めて分かることがたくさんありました。中でも「連作障害」は特にわかりにくいもので、皆さんがお困りだと知りました。私たち農家でさえ苦心していることなのですからなおのことだと思います。ここまでしないと解決しない厄介な病気なだけに、「発症する前に手を打って、病気が出ないようにすること」を伝えたいと思い、今回記事にしてみました。家庭菜園の皆さんができる最も大切なことは「土作り」です。しっかり取り組んで、病気になりにくい丈夫な体(作物)に育ててほしいです。

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