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家庭菜園初心者さんの病害虫対策に答えます!

こんにちは、ハウス工藤園芸代表スタッフ獅子原(ししはら)敏勝です。ここ数年、天候の変化が著しく、温暖な気候になりつつあり、作物の生育や病害虫の発生の時期も早まってきています。当店の家庭菜園教室でも、病害虫でお悩みのかたが多くいらっしゃいます。病気や害虫の発生前にできる予防をおすすめします。今回は、「病害虫を防ぐためにできる対策とは?」、家庭菜園教室でお受けしたご質問を「Q&A」でお伝えいたします。


病害虫を防ぐためにできる4つの対策


1. 病気になりにくい丈夫な体(木)を作ること

そのためには土づくりが大切です。水も肥料も与えすぎず、多少鍛えた状態で育てるのがコツです。窒素肥料分が多いとアブラムシがつきやすいといわれています。


2. 毎日の観察が重要

早めに気付くと最小限の被害で済みますし、早く対処して解決できます。小さな変化を見逃さないようにします。表面だけでなく、葉の裏側にも虫がいることがありますので、全体をよく観察します。


3 風通しをよくする

葉が込み合っていたら剪定(せんてい)したり、植物と植物の間隔を開けたりして、蒸れないようにします。


4. 予防として、自然農薬を使う

化学農薬を使いたくないかたは、重曹や木酢液など、体に優しい自然農薬を予防的に使ったり、有機農薬で早めに対処することをおすすめします。(有機農薬とは有機栽培で使用が許可されている農薬で、天然成分由来のものもあります)





よくある質問にQ&Aでお答えします。


ケース1

Q :ナスについたこの斑点は何ですか?

A ; 害虫スリップス(アザミウマ)の食害の跡です。

対処法は、農薬(化学農薬または有機農薬)で対応するか、農薬を使いたくないかたは、防虫ネット(0.03ミリ以下)を張る、などです。スリップスの害は葉から吸汁して変色や奇形をまねいたり、ウイルスの感染などの害も懸念されます。


ケース2

Q: 葉が白くなっています。

A : うどん粉病です。

キュウリやカボチャなどウリ類に発生しやすいです。葉の表面がカビで覆われる病気で、白い部分の葉は、光合成ができず、植物が弱ってしまいます。ほかの葉に広がり被害が拡大しないよう早めの対処が大切です。予防として重曹液(約800~1000倍で薄める)を使います。対処法は農薬、殺菌剤(化学農薬または有機農薬)です。


ケース3

Q : ズッキーニが実りましたが、下が太く、先の方が細くなっています。なぜでしょう?

A : ズッキーニの花が咲いた時の授粉がうまくいっていないせいです。

このままにしておいてもよい状態にならないので、この実は諦めて次の実に期待します。実の先端が腐ったようになる「尻ぐされ病」も同じ原因で起こります。授粉はハチやチョウなどの虫、人工授粉、またはホルモン剤(トマトトン)を使う、があります。



ケース4

Q : ニンニクと、ネギの葉の様子が変です。何でしょう?


A : 赤さび病です。

カビの一種の病気で、長くついてしまうと対処が難しくなります。農薬での対応となります(化学農薬または有機農薬)。ほかの野菜と違って、ニンニクやネギ、玉ねぎは肥料を多く必要としますので、肥料切れをおこすと弱り、病気にかかりやすくなります。


ケース5

Q : ナスの新芽にアブラムシがたくさんついてしまいました。

A : 対処法は農薬での対応となります。

化学農薬を使いたくないかたは、ブラシなどで根気よく取り除く、有機農薬を使うなどがあります。アブラムシは作物の栄養を吸い取り、しかも繁殖力が強いので早めに駆除する必要があります。アブラムシが原因でウイルスなどの感染が広がるなどの害もあります。



ケース6

Q : トマトの様子を見ていただきたいです。

A : トマトの茎が太く、葉ばかり茂っていますね。肥料が効きすぎて、木ばかり茂り、実がつきにくいという状態になっています。トマトはさほど肥料は必要としません。水も少ない方が本来のトマトにはよいです。肥料に関しては、たくさん必要とする作物は玉ネギ、ネギ、ニンニクです。肥料が必要な植物を近くに植えない工夫も大切です。



ケース7

Q : 芽キャベツを虫から避けたいのでレタスと交互に植えましたが、虫がつきました。なので同じ植穴にレタスと一緒に芽キャベツも植えてみました。どうでしょう?


良いアイデアです。一緒に植穴に植えたことが効果的のようです。ただし、2つの作物を植えたことによって、成長が遅くなる、大きくならない心配がありますが、いずれ、レタスが芽キャベツの成長に負けて淘汰(とうた)されると思います。





「家庭菜園教室のお悩みに答えます」の記事はいかがでしたか?野菜育ては、病気や害虫の問題がつきものです。天候や土壌など、畑の特徴によって、発生する問題もさまざまです。何事も経験ですので、この経験を次に生かして取り組んでいただき、また、次年度の糧として課題に立ち向かって対処することの積み重ねです。去年より今年、今年よりも来年と、少しずつ改善して、野菜作りがもっともっと楽しくなればと願っております。

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